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ピアニスト水上裕子 エッセイ

瀋陽日記 最終回

長女の名前の中国語読みは”シャーロゥ”

ちなみに私、裕子は ”ユィズゥゥー” とても発音しにくい。

ついでだが次女のアンナは中国語の漢字になおすと、杏雪となり、シンシュエとなる。

本人はとっても気に入っていて、「あんな」の ”な”が、菜っ葉の”な”ではなく、雪になったというのでロマンチックな気持ちになってしまっている。

シャーロウはたくさんの中国人のお友達ができたらしく、外に出ると、みんなが”シャーロウ!”と声をかけてくれるらしい。

勉強は出来ないが、昔から友達の多さはチャンピオン級だった。

運動会の時には、上級生、下級生、同級生の応援の声がこだまし、彼女はいつも笑いながら走っていた。

数日前も違うクラスの子と遊んでいたら、「ところで、シャーロウ、あなたの名前は漢字でどう書くの?」と、訊かれ

沙羅、と、書いたら、彼女たちが「え~っ!それは、シャーロウと読まないよ。」と、言ったのだそうだ。

「じゃ、どう読むの?」

「それは、さるお、って読むんだよ」

「え?・・・・・・さるお?・・・」

寮に電話したら、彼女が情けなさそうにその話をするので

「アハハハ! サル? なんて、沙羅にぴったりだよ!やっぱり沙羅は中国に縁があったのねえ」と、励ました。

沙羅も悲しく、納得した。

以来、寮に電話する時は、まずこう言う。

「猿夫いますか?」

      - 完 -

                                                Hiroko