さいたまで演奏後、3人のご婦人が涙を浮かべ
「子供を失くしました。”再会“は私の子のために演奏して下さってるようでした」
と言って来られた。
毎回、サイン会の時に数人のお母様が必ずそう言って私のところにいらっしゃる。
もう6年も前になる。
広島のあるご婦人が、息子さんを失くされた事を聞き、
そのお母様と息子さんのために曲を作った。
正確に言えば、作ったというより、空から聴こえてきた、と言うべきか・・・
そのメロディーは明るく澄んでいて、そして力強く空をうねっていった。
これは、お母さんの願いと祈りとそれから亡くなられた
息子さんの生命の息吹のような気がした。
私はこの曲を”再会“と命名した。必ずまた会える!
生命は天を翔け、うねり、決して1度きりで終わらないと、
聴こえてきたこのメロディーを弾きながら感じたからだ。
埼玉の3人のお母様のうちのおひとりは、
ドンキホーテ放火事件で犠牲になったセキグチマイコちゃんのお母様だった。
マイコちゃんは将来は人々のために尽くしたいと、
大学の福祉科に通う19歳の女の子だった。
私は毎回、全てのお母様の祈りを、
願いを大切に胸に抱きかかえ”再会“を弾く。
そして宇宙にあるお子さんの生命にかならず届くようにと
全てのエネルギーをふりそそぐ。
涙は、いつか笑顔に変わることを確信している。